キレイな嫁さんも、カワイイ子供も、癌と闘うお母様も、それを支える息子の想いも、そんな人間ドラマなんて長谷川穂積の試合には必要ありませんでした。ただリング上にある美しいボクシングがあれば、もはや実況や解説すら必要無いほどに、長谷川穂積は圧倒的で魅力的でした。この試合ぶりならばYouTubeで見た外人でさえもHASEGAWAというボクサーに魅了され、何度も再生してしまうに違いありません。
直近の防衛戦では2試合連続で2RKOという短期決着を見せた長谷川。決して安くはないチケット代を払って、長谷川の試合を見に来たお客さんにとっては、あまりありがたくない決着でした。もちろん長谷川が強いのは結構なのでしょうが、それにしても5分くらいで試合が終わっちゃうのでは寂しい話。しかし、今回は世界ランキング1位の指名挑戦者。さすがの長谷川も2RKOなんてワケにはいかないだろう。今回はじっくり見られるに違いない。
…と思ってたら1RTKOって何じゃそりゃw
ボクシングに打ち込み、殴られても殴られても殴られても倒れないための訓練を積み、世界1位にまでのぼりつめた人間を1RでTKOするなんて。最初のダウンを奪った左ストレートはスローで見ても驚くようなスピードとタイミング。そして、立ち上がった相手に襲い掛かる、長谷川の野獣のような猛攻。20発ものパンチを浴びせた長谷川の回転は、思わず「コイツ大人気ない…」と呆れてしまうほどでした。試合を決めた最後のダウンも、あしたのジョーばりのクロスカウンターと、わずか3分に見せ場の連続。フリーノックダウン制を採用しているWBCでも、さすがに1Rからこれだけボコボコ倒せばレフェリーも止めるというもの。余りの強さに笑っちゃうとともに、「今後誰と戦えばいいんだ?」という変な心配を残して、長谷川穂積は8度目の防衛を達成したのです。
ということで、「金返さなくていいからもう1試合やれ!」と叫びたくなる試合について、12日の日テレが中継した「プロボクシング・ダブルタイトル戦 長谷川穂積VSブシ・マリンガ」からチェックしていきましょう。
◆もう戦う相手いないだろ…カンガルーとか熊とか呼んどけよ…。
もはや指名試合だろうが何だろうが、まったく不安を感じさせないほどの長谷川の強さ。めぼしいところは自分で潰してしまったので、他団体との統一戦をするか階級を上げるかくらいしか、今後の展開が思いつかないほど。日本ボクシング史上においても、具志堅用高さんとか渡辺二郎被告とかくらいしか、比較の相手が思いつきません。

